袋を開けると、土の粒より小さく見える花の種があります。指で一粒ずつつまみにくく、まいた場所も分からなくなりがちです。そこで土を厚くかけると安心したくなりますが、種の大きさや発芽に必要な光によっては、深く埋めることが発芽の妨げになります。
基本は「小さい種ほど浅く」です。ただし、見た目だけで覆土を決めず、種袋にある好光性・嫌光性、覆土の厚さを確認します。同じ細かな種でも、まったく覆わない品目と、ごく薄く覆う品目があります。
覆土は種を隠す作業とは限らない
ニューハンプシャー大学Extensionの種まき資料では、光が発芽を促す種と抑える種があるため、品目ごとの情報を確認するよう案内しています。極めて細かなペチュニアなどは覆わず、培地へ軽く押さえる方法が紹介されています。
一般的な「種の直径の二〜三倍」という深さは便利な目安ですが、例外があります。光を必要とする種を一律に埋めたり、光を避ける種を表面へ置いたりしないよう、種袋を最終判断にします。
三つの花で違いを見る
ペチュニアは覆土せず、光を遮らない
ペチュニアは非常に細かな好光性種子です。種まきMAPのデータでは覆土せず、底面給水などで流さない管理を案内しています。ミネソタ大学Extensionも、細かな種を湿らせた用土の表面へまき、光を受けられる状態で発芽させる方法を示しています。
中間地では春のまきどきに加え、9月上旬〜10月中旬にも秋の窓があります。ただし発芽適温は20〜25℃です。秋という月名だけでなく、地域の気温と品種表示を確認します。
ポピーは直まきと浅さを組み合わせる
ポピーも細かな好光性種子で、移植を嫌う性質があります。RHSの屋外種まきガイドは、ポピーを根への刺激を嫌い直まきに向く花の例とし、小さな種ほど浅くまく原則を示しています。
中間地のまきどきは9月上旬〜10月下旬、発芽適温は15〜20℃です。最初から育てる場所へ均一にまくため、少量の乾いた細砂と混ぜて広げる方法もあります。まいた後に強い水流を当てないことが大切です。
スイートアリッサムはごく薄く覆う
スイートアリッサムの種も細かいものの、確認済みデータでは薄い覆土をします。ペチュニアと同じ「小さい種」とまとめず、種が土と触れながら深く沈まない程度に整えます。
中間地の秋まきは9月下旬〜10月下旬、発芽適温は15〜20℃です。高温多湿を苦手とするため、秋の入口で急がず、気温と水はけを見ます。
種を流しにくい五つの手順
1. 用土を先に湿らせる
乾いた土へまいてから大量の水を注ぐと、種がくぼみへ集まりやすくなります。容器へ用土を入れ、表面を平らにし、先に全体を湿らせます。水が落ち着いてから種をまきます。
2. 一度に全部出さない
袋から直接振ると、一か所へまとまって落ちることがあります。白い紙へ少量ずつ出し、折り目から落とす、細砂と混ぜる、コーティング種子があれば品種表示を確認して使うなど、手元で量を見られる方法を選びます。
3. 押さえるか、薄く覆うかを分ける
ペチュニアとポピーは表面へ軽く密着させ、スイートアリッサムはごく薄く覆います。札に名前を書き、どの容器を覆ったか分からなくならないようにします。
4. 霧または底面から水を補う
表面から与えるなら細かな霧や目の細かいはす口を使います。底面給水では、容器の底穴から必要な水を吸わせ、長時間水へ浸けたままにしません。方法よりも、種を移動させず過湿を続けないことが目的です。
5. 発芽したら光と風通しを見直す
保湿のため覆いを使った場合は、芽が出た後も密閉し続けないようにします。小さな芽が徒長したり蒸れたりしないよう、明るさと風通しを確保し、急な直射や乾燥には段階的に慣らします。
小ささを理由に急がない
細かな種は、芽が見えるまで「何も起きていない」ように感じます。まいた日、覆土の有無、置き場所を書いておけば、別の種を重ねずに待てます。品目ごとの光と温度を確認し、静かな水やりで一鉢ずつ見守りましょう。