パクチー、ディル、フェンネルは、葉の形や香りが異なる一方、まっすぐ伸びる根を持ち、移植を好まないという共通点があります。小さなポットで長く育ててから植え替えるより、最終的に育てる場所へ種をまく方法が候補になります。

「直まき」は畑だけの言葉ではありません。深さの合う鉢やプランターを最終場所と決め、そこへ直接まく方法も含みます。ベランダでは、芽の大きさではなく、育った根と株の大きさから容器を選びます。

なぜ直まきが向くのか

メリーランド大学Extensionは、コリアンダー、ディル、フェンネルなどを、移植がうまくいきにくいため庭へ直接まくハーブとして挙げています。ディルについてはミネソタ大学Extensionも、移植しにくいため育てる場所へ直まきするよう案内しています。

これは「苗を動かしたら必ず枯れる」という意味ではありません。若苗の流通やセル育苗もあります。ただ、家庭で種から始めるなら、植え替え回数を減らし、根を傷める機会を少なくする方法として直まきを選べます。

三つのハーブを比べる

パクチーは深型容器へ、時期をずらして

パクチーの発芽適温は20〜25℃で、中間地では3月中旬〜6月上旬と9月中旬〜10月下旬がまきどきです。深さ20cm以上の深型プランターが目安で、最初から収穫まで使う容器へまきます。

オレゴン州立大学Extensionは、長い直根のため移植が難しく、葉を続けて収穫するには数週間おきに少量ずつまく方法を紹介しています。日本での時期は異なるので、サイトの地域別窓の中で、置き場所と食べる量に合わせて少量ずつ考えます。

ディルはさらに深く、風も考える

ディルの発芽適温は15〜20℃で、中間地では4月上旬〜6月下旬と9月中旬〜10月上旬がまきどきです。容器は深さ30cm以上の深型が目安です。細い葉だけを見て浅い鉢を選ばず、根と背丈を支えられる場所を用意します。

茎が伸びると風を受けやすくなります。鉢が倒れにくいか、必要になったとき支柱を立てられるかも、種をまく前に確認します。たくさん発芽した場合は、根が絡み切る前に残す株を決めます。

フェンネルは一株の広がりまで見る

フェンネルの発芽適温は15〜20℃で、中間地では4月上旬〜5月中旬と9月中旬〜下旬がまきどきです。深さ20cm以上の標準プランターまたは10号鉢が目安で、一株でも葉と茎が大きく広がります。

コネチカット大学のハーブガイドも、フェンネルを春の直まきから育てられる植物として案内しています。日本の家庭菜園では地域と品種、一般的なハーブフェンネルか株元を利用するフローレンスフェンネルかを種袋で確認し、必要な株間を決めます。

最終容器へまく手順

排水穴と置き場所を先に決める

深い容器は土を入れると重くなります。排水穴がふさがらず、日当たりと風通しがあり、水やりへ通える場所へ空の状態で置きます。移動が必要なら鉢台の耐荷重も確認します。

一か所へまきすぎない

発芽の不安から多くまくと、間引く前に根が絡みます。種袋の粒数と発芽率を見て数粒ずつまき、場所を札で示します。まいた直後は静かに水を与え、発芽まで乾かしすぎないようにします。

間引きは残す株の根を守る

芽が混み合ったら、生育と配置を見て残す株を決めます。隣の根まで動きそうなら、不要な苗を地際ではさみで切る方法もあります。作業後は株元がぐらついていないかを確認します。

似た姿でも一鉢にまとめない

三品ともセリ科で細かな葉を持ちますが、発芽適温、まきどき、必要な容器、株の大きさは異なります。寄せ植えの見た目を先に決めず、一品一容器から始める方が、水分と間隔を調整しやすくなります。

パクチーとフェンネルは深さ20cm以上、ディルは30cm以上が確認済みデータの目安です。育てたい香りを一つ選び、地域別カレンダーと種袋を照らし合わせて、根を動かさずに済む場所へ最初の種をまきましょう。